知られざる二ツ井町②~狐に化かされた人もいる
地方の田舎に、今の感覚では不可思議なほど大きな町並みがある。それは、人々が「どこまで行ける」かによって決定されていたのだと思う。昭和の初期までは、人々の生活は徒歩を基本に成り立っていた。街道でも、次の宿場や町場まで行けなければ、人々はそこに留まるしかない。そうなると、宿なり、飯屋なり、商店が形成される。そこに住む人たちも同様だ。大きな買い物、例えば金物を買うとか、布を買うとか、魚を買うのであれば、「歩いて一日」が行動範囲だったであろう。人々は山道を歩き、近隣の大きな町を目指した。人が集まれば、自然と商売も増えていった。二ツ井の町の成り立ちを思うと、ロマンに溢れている。先日、山に関係する不思議な話を集めた本を読んだ。その中で特に多いのが、「狐に化かされた」話だ。暗い山道を家路に急ぐと、狐に化かされて道を迷い、身ぐ...知られざる二ツ井町②~狐に化かされた人もいる