一隅を照らす〜Brighten the World at Your Corner
光は万物に降り注ぐ。燦々と光を浴びる場所もあれば、かろうじて光が当たる場所もある。その夕方、柔らかな光が裏庭の奥に差し込んでいた。そこには真っ赤なチューリップが浮かび上がっていた。山モミジの根っこ辺りにある薄暗い場所だ。そんな所に花があることすら知らなかった。多分、風か鳥が種子を運んで来て、自然と咲いたのだろう。でも、その花は理不尽といって良いほど美しく見えた。さあ撮れ、光が変わるその前に。あの人がそう言っている気がした。羅針盤を失くした僕は一体どうすれば良いのだろう。多分、僕なりに一隅を照らす努力を続けるしか無いのだと思う。まずはそこから始めよう。そして決して忘れまい。人は自らが一隅を照らすだけで精一杯なのに、加えて「一隅を照らす名も無きもの」に眼を向け続けた人がいた。照らされた一隅の美しくも儚い瞬間を捉え続...一隅を照らす〜BrightentheWorldatYourCorner